東京都 小平市 花小金井 国分寺市 トリガーポイント 鍼灸治療 筋膜性疼痛症候群(MPS) 痛みやしびれに特化した治療院です
今日は肘の痛みについて考えたいと思います。
①肘の内側の痛み
肘内側の痛みは一般的にゴルフ肘や野球肘といわれ、上腕骨内側上顆炎のことをいいます。
②肘の外側の痛み
肘外側の痛みは一般的にテニス肘といわれ、上腕骨外側上顆炎のことをいいます。
それぞれの痛みについて詳しく考えてみたいと思います。
安静にしているときはほとんど痛みはありませんが、特定の動きをすると、肘の内側に痛みが生じたり、内側上顆部を押すと、痛んだり不快な感覚が生じます。
前腕(肘から先)内側の筋肉の緊張により、上腕骨内側上顆に負担がかかって起こるため、肘から先の動きが大きく影響します。
上腕骨内側上顆部は、指や手首を曲げる筋肉(橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、浅・深指屈筋など)、肘を曲げたり内側に捻る筋肉(円回内筋)の付け根にあたる部分です。手首をひねる動作(ドアノブをひねるような動作)は、手首の関節の動きだと思われがちですが、肘関節と連動した動きです。
指や手首の動きと、肘は連動しているのです。
特に深指屈筋は肘関節の屈曲、前腕回内(ドアノブをひねるような動作)、手関節の掌屈(手首を掌側に曲げる)のほかに指先を曲げる時に使われる筋肉であり、また深指屈筋は屈筋群の中で最も深層に存在し、治療部位としてとても重要な筋肉となります。
テニス愛好家に多く発症しますが、テニスとは必ずしも関係なく、手首や前腕の筋肉を繰り返し使う作業、日常生活動作で発症するケースも多くあります。
原因としては、肘に負担がかかるスポーツや仕事、生活習慣などによる疲労の蓄積が引き金になることが多いようです。また、肘関節外側の伸筋腱(手や指を伸ばす筋肉、腱)付着部の変性(加齢などによる衰え)も一因と考えられています。
症状としては、肘関節の外側から前腕にかけて痛み、手・前腕を内側に捻った状態で物を持ち上げる、タオルを絞る、などの動作で痛みを生じます。多くの場合、安静にしているときの痛みはありませんが、安静時でも鈍痛、肘から前腕の倦怠感を訴える患者さんもいらっしゃいます。
上腕骨外側上顆には図のように指や手首を背屈させる筋肉(橈側手根伸筋、総指伸筋、尺側手根伸筋など)が付着しています。手首を背屈させる動作やタオルを絞る動作は手首の関節の動きだと思われがちですが、ひじ関節と連動した動きをします。
このように上腕骨外側上顆には手首を背屈させる筋肉が多く付着しているため、テニス愛好家や手首や前腕の筋肉を繰り返し使う作業により前腕伸筋群に過度の負荷がかかると上腕骨外側上顆に痛みが出てしまいます。
つまり、上腕骨外側上顆炎の治療部位として上腕骨外側上顆はもちろんのこと、前腕伸筋群の緊張を緩めるために橈側手根伸筋、総指伸筋、尺側手根伸筋なども重要になります。
以上のことから上腕骨内側上顆炎や上腕骨外側上顆炎に対して「前腕の筋肉の緊張」を調べることと、「手首をどのように動かすと肘のどの部分が痛くなるのか?」を調べることによって、どの筋肉を治療すれば良いのかを判断することで、症状を改善さていきます。